盆だんごやあゆだしのそうめん汁で祖先に感謝――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2023年08月09日

聞き書 島根の食事 江の川流域の食より

お盆
八月十三日から十六日はお盆。墓まいりをし、ご先祖さまをお迎えしてごちそうをつくる。
盆だんごは米粉をこねてゆで、きな粉をまぶし、上から赤砂糖や白下、蜂蜜などをかける。海辺(日本海側の江津方面)から運ばれてくるところてんぐさを買い求め、ところてんもつくる。そうめん汁は干しあゆでだしをとり、醤油で味つけしたものを冷たくしてそうめんにかけ、あゆも具として食べる。なすびとかぼちゃの煮しめ、きゅうりもみもつくる。

写真:お盆のごちそう
上:ところてん、なすびとかぼちゃの煮しめ/中:きゅうりもみ/下:盆だんご、そうめん汁

 

出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.160-160

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事