聞き書 千葉の食事 利根川流域の食より
■朝飯――麦飯、なすのおし、雑魚のつくだ煮、なすの塩漬
大豆引きや稲刈りの準備のほか、道のふちや河川敷の草をかつげるぶんだけ刈るので、朝飯前の仕事がふえる。稲刈りは重労働なので、朝飯はしっかり食べる。このころになると、なすは秋なすといって実がしまり、おいしくなる。漬物にするほか、しぎ焼きをよくつくる。おかずはみよからすくいとってきた雑魚のつくだ煮や小ぶなの甘露煮である。
写真:秋の朝飯
味のよい秋なすのおしと塩漬、雑魚のつくだ煮を添えて。
出典:高橋在久 他編. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.295-295