新豆でつくる呉汁に落花生の油味噌――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年11月06日

聞き書 群馬食事 東毛平坦地の食より

川の魚は、九月から十一月初旬にかけて海へ下るので、下り魚を投網漁でとる。とれたざっこなどは、てんぷら、煮つけにして日常によく食べる。
六割くらい海へ帰るが、残ったうなぎは夜は水面で泳ぐので、餌を入れたどう筌をまこもや水藻の上にのせ、うなぎの通りそうな道に仕かけておく。昼間はうなぎが水底にいるので、どう筌は沈めておき、まこもをどう筌に結んで一部水面に出して目印にしておく。一般の人にはあまりとれないが、手に入ったらかば焼きにする。
昼飯――しけり飯、いなごのつくだ煮、落花生の油味噌、たくあん
子どもたちにいなごをとらせて、つくだ煮にしておくと、常備菜の一品となる。
稲刈りの合間に、畑のあわ、ひえ、野菜、大豆、落花生の収穫もあり、とりたての落花生で油味噌もつくりおきしておく。

写真:秋の昼飯
上:たくあん、いなごのつくだ煮/下:しけり飯、落花生の油味噌

 

出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.278-279

関連書籍詳細

日本の食生活全集10『聞き書 群馬の食事』

志田俊子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540900051
発行日:1990/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

かかあ天下に空っ風の上州は「粉もの王国」。「おきりこみ」の味は絶品で、夕食には"つるつる"の音が家中に広がる。みそまんじゅうやおやきも詳しく紹介。
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