聞き書 群馬の食事 東毛平坦地の食より
川の魚は、九月から十一月初旬にかけて海へ下るので、下り魚を投網漁でとる。とれたざっこなどは、てんぷら、煮つけにして日常によく食べる。
六割くらい海へ帰るが、残ったうなぎは夜は水面で泳ぐので、餌を入れたどう筌をまこもや水藻の上にのせ、うなぎの通りそうな道に仕かけておく。昼間はうなぎが水底にいるので、どう筌は沈めておき、まこもをどう筌に結んで一部水面に出して目印にしておく。一般の人にはあまりとれないが、手に入ったらかば焼きにする。
■昼飯――しけり飯、いなごのつくだ煮、落花生の油味噌、たくあん
子どもたちにいなごをとらせて、つくだ煮にしておくと、常備菜の一品となる。
稲刈りの合間に、畑のあわ、ひえ、野菜、大豆、落花生の収穫もあり、とりたての落花生で油味噌もつくりおきしておく。
写真:秋の昼飯
上:たくあん、いなごのつくだ煮/下:しけり飯、落花生の油味噌
出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.278-279