聞き書 愛知の食事 堀川端、清州越商家の食より
■夕――まったけごはん、吸いもの、里芋の煮しめ、らっきょ漬
秋は混ぜごはんをよくつくる。栗ごはん、まったけごはんなどである。まったけごはんに入れるまったけは傘の開いたものを使い、形のよい小ぶりのものは吸いものや土びん蒸しにする。
まったけごはんには、おつけではなく吸いものをつける。吸いものは豆腐とほうれんそうの実にして、さっぱりと仕立てる。これに、里芋や傘の開いたまったけ、れんこん、にんじんなどの煮ものがつけば、秋の香りがいっぱいになる。
写真:秋の夕食
まったけごはん、里芋の煮しめ、吸いもの、らっきょ漬
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.58-59