秋──早い日暮れ、収穫作業で忙しい

連載日本の食生活全集

2024年10月10日

聞き書 宮城食事 阿武隈丘陵の食より

稲刈りは十月いっぱいかかる。畑の仕事は、麦播き、ゆりなや大根の収穫作業もある。
寒くなる前に、野菜類の貯蔵もする。収穫した大根、にんじん、ごぼう、ねぎは畑に、はたいもは、日のあたる土手の穴に囲う。そのほか、女はたくあん漬け、ゆりな漬けなどの漬物つくり、男は米搗きなどいろいろな作業があり、目の回るほど忙しい。
このころは、裏山の栗、家の前のくるみや柿などがたわわに実る。栗は農作業の合い間にひろい、栗飯やゆで栗にする。くるみは、くるみもちや盆のうどんのたれに使うので保存し、渋柿はさわしたり干したりして保存する。

写真:富山柿で干し柿をつくる

 

出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.274-274

関連書籍詳細

日本の食生活全集4『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890062
発行日:1990/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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