聞き書 神奈川の食事 みなと横浜と古都鎌倉の食より
■学校の弁当――お昼は教室中お弁当のにおいがただよう
学校に持っていくお弁当は、ごはんの間にのりを二段敷いてその上に炒り卵をのせたのり玉弁当のこともあれば、おかず入れに塩鮭、たらこなどが入ることもある。仲のよい友だちとおかずの交換をするのも昼食の楽しみの一つである。
冬は、教室のだるまストーブのまわりにつくった網棚に、アルミ製の弁当箱をのせて温めて食べる。いろいろなおかずのにおいが入りまじって教室中ににおってくるようになると、昼食も間近である。
写真:女学校に持っていくのり玉弁当
きゅうりのぬかみそ漬、紅しょうがを添えて。
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.36-39