聞き書 宮崎の食事 米良山地の食より
■茅かるいの弁当――あわ飯、味噌だご、油味噌、梅干し、漬物
茅かるいのときの山行きの弁当は、あわ飯やひえ飯に、おかずは漬物、梅干し、味噌だご、油味噌などである。
めんぱ(曲げもの)のず(下)のほうにごはんを押しつけて入れ、ふたにも三分の一ほど入れる。昼食にずのほうを食べ、茶おけ(間食、お茶うけ)にふたの分を食べる。
味噌だごは、いりこ、にらまたはねぎを溶いた小麦粉に混ぜ、味噌で味をつけて油で焼いたものをいう。鉄びんは山の小屋に置いてあるので、たかんぽ(竹でつくった水筒)に水を入れて持って行く。
写真:茅かるいの弁当
あわ飯かひえ飯に、梅干し、らっきょう、油味噌、ゆずの味噌漬、大根葉の漬物、味噌だご。鉄びんは常に山の小屋に置いておく。
出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.109-111