からだの温まるだご汁やずし――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年01月24日

聞き書 宮崎食事 米良山地の食より

茅かるいの弁当――あわ飯、味噌だご、油味噌、梅干し、漬物
茅かるいのときの山行きの弁当は、あわ飯やひえ飯に、おかずは漬物、梅干し、味噌だご、油味噌などである。
めんぱ(曲げもの)のず(下)のほうにごはんを押しつけて入れ、ふたにも三分の一ほど入れる。昼食にずのほうを食べ、茶おけ(間食、お茶うけ)にふたの分を食べる。
味噌だごは、いりこ、にらまたはねぎを溶いた小麦粉に混ぜ、味噌で味をつけて油で焼いたものをいう。鉄びんは山の小屋に置いてあるので、たかんぽ(竹でつくった水筒)に水を入れて持って行く。

写真:茅かるいの弁当
あわ飯かひえ飯に、梅干し、らっきょう、油味噌、ゆずの味噌漬、大根葉の漬物、味噌だご。鉄びんは常に山の小屋に置いておく。

 

出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.109-111

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540901010
発行日:1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
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