野や山の春の香りを食卓に――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年04月02日

聞き書 宮崎食事 米良山地の食より

夕――混ぜ飯、川魚の煮つけ、漬物
たけのこ、しいたけ、ごぼう、にんじんなどを入れた混ぜ飯をつくる。
かじか(蛙)が鳴くころになると、川では、いだが産卵のために集まっている。水の中でもまっ黒く見えるように集まっているので、投げ網でとる。これを砂糖、醤油で煮つけて食べる。にらやしょうがを入れるとくさみがとれる。
らっきょうや梅干し、高菜の漬物を出す。

写真:春の夕飯
上:川魚の煮つけ(あゆ、さんしょうの葉と実)、高菜漬/下:茶、混ぜ飯(たけのこ、しいたけ、ごぼう、にんじん)

 

出典: 田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.117-118

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540901010
発行日: 1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
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