煮ものはちょっと濃いめの味つけ――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年05月20日

聞き書 岐阜食事 南濃輪中の食より

夕――麦飯、しじみ汁、なすの味噌あえ、きゅうりの酢もみ、たくあん
昼寝から目覚めて田に出たあとも長い。あちらこちらの田を回って家に帰るのは八時近くである。そんな日は食事の準備もそこそこに、残りもので夕食をすませてしまうこともあるが、たまに早く帰ってくると、なすや千石豆(ふじ豆)の味噌あえ、かぼちゃの煮もの、ささげのおひたし、きゅうりの酢もみなど、季節の野菜を料理する。手に入れば、しじみの澄まし汁なども食膳に上る。

写真:夏の夕食
上:きゅうりの酢もみ、なすの味噌あえ/中:たくあん/下:麦飯、しじみの澄まし汁

 

出典:森基子 他編. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.277-279

関連書籍詳細

日本の食生活全集21『聞き書 岐阜の食事』

森基子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540900044
発行日: 1990/5
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

飛騨は山の恵み、美濃は川の恵み豊かな国。米と繭の国だが、雑穀や山菜、木の実も大切な食糧。味噌・漬物・どぶろくなど発酵食品がよく発達している。山・川の恵みを受けた八つの地区の暮らしと食を収録。
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