聞き書 新潟の食事 佐渡の食より
ところてんぐさを畑野の市で買っておいて、ところてんをお盆前につくり、夏のごちそうにする。
てんぐさをせいづちで軽くたたきながらごみをとり、一日くらい、たっぷりの水につけておく。次にきれいにすすいでなべに入れ、てんぐさの上に三寸くらいになるように水を加えてとろ火で煮溶かす。このとき少し酢を入れると早く溶ける。溶けたものを布袋でこしてから、おり板などへ流しこんで固める。これを「つきちょう」(ところてんを細く切りながらおし出す道具)の大きさに合わせて切って、冷たい清水などに入れておく。
食べるときに、つきちょうに入れてめん状に器に押し出し、醤油と酢をかけて食べる。ぜいたくな人は砂糖もかける。
写真:ところてんとつきちょう(右)
出典:本間伸夫 他編. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.308-309