ところてん

連載日本の食生活全集

2024年06月27日

聞き書 新潟食事 佐渡の食より


ところてんぐさを畑野の市で買っておいて、ところてんをお盆前につくり、夏のごちそうにする。
てんぐさをせいづちで軽くたたきながらごみをとり、一日くらい、たっぷりの水につけておく。次にきれいにすすいでなべに入れ、てんぐさの上に三寸くらいになるように水を加えてとろ火で煮溶かす。このとき少し酢を入れると早く溶ける。溶けたものを布袋でこしてから、おり板などへ流しこんで固める。これを「つきちょう」(ところてんを細く切りながらおし出す道具)の大きさに合わせて切って、冷たい清水などに入れておく。
食べるときに、つきちょうに入れてめん状に器に押し出し、醤油と酢をかけて食べる。ぜいたくな人は砂糖もかける。

写真:ところてんとつきちょう(右)

 

出典:本間伸夫 他編. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.308-309

関連書籍詳細

日本の食生活全集15『聞き書 新潟の食事』

本間伸夫 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540850257
発行日: 1985/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 378頁

「炊く」「蒸す」「搗く」「こねる」「焼く」。お米をさまざまに味わい分けてきた新潟県内を六つの食文化圏に分けて、それぞれの地域の豊饒を語ってもらう。
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