聞き書 栃木の食事 那須野ヶ原開拓の食より
この時期になると近郷近在のいくつかの神社で、日が重ならないように豊作感謝の秋祭りをする。祭りには、よその地区に住む親類や知人をよんでごちそうする。
三島神社の秋祭りは九月二十三日で、芝居小屋がかかり、一等席、二等席とつくって、芝居を見ながら酒席を設ける。のり巻きやいなりずし、赤飯にたっぷりと煮しめをつけ、ときにははぎのもち(つぶしあんで、砂糖味と塩味がある)もつくって秋の一日を楽しむ。
写真:三島神社の秋祭りのごちそう
〔左から〕赤飯、塩味のはぎのもち、煮しめ
出典:君塚正義 他編. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.159-161