のり巻きといなりで祝う秋祭り――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2024年09月26日

聞き書 栃木食事 那須野ヶ原開拓の食より


この時期になると近郷近在のいくつかの神社で、日が重ならないように豊作感謝の秋祭りをする。祭りには、よその地区に住む親類や知人をよんでごちそうする。
三島神社の秋祭りは九月二十三日で、芝居小屋がかかり、一等席、二等席とつくって、芝居を見ながら酒席を設ける。のり巻きやいなりずし、赤飯にたっぷりと煮しめをつけ、ときにははぎのもち(つぶしあんで、砂糖味と塩味がある)もつくって秋の一日を楽しむ。

写真:三島神社の秋祭りのごちそう
〔左から〕赤飯、塩味のはぎのもち、煮しめ

 

出典:君塚正義 他編. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.159-161

関連書籍詳細

日本の食生活全集9『聞き書 栃木の食事』

君塚正義 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540880322
発行日: 1988/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

鮭食の伝統「しもつかれ」、伝統行事に食の歴史をとどめる栃木の食。海なし県栃木で多用される川魚、里芋。山と川と里の国栃木の習俗、行事、暮らし、食の姿を伝える。
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