聞き書 島根の食事 隠岐の島の食より
五月三日、島後五箇村郡の水若酢神社のお祭りの日のごちそうとして、どこの家でもつくり、大鉢(平皿)に盛って客をもてなす。押しずしの上につけるのは、卵焼き、酢につけた魚、のり、木の芽などである。
ただ米一升に、もち米一合から二合と塩を入れて炊く。熱いうちに砂糖、酢を入れて、しゃもじで切るように混ぜる。
白身の魚は三枚におろし、軽く塩をふって少しおき、酢の中につけて三〇分ぐらいおいたものを薄く切る。
松竹梅の木型にすし飯を丸めて入れ、上に酢じめの魚や具をのせて押す。
出典:島田成矩 他. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.290-290