はぜ

連載日本の食生活全集

2020年05月26日

聞き書 岡山の食事 中国山地の食より

六月一日の「ろっかつふてえ」、七夕には、必ず重箱一杯のはぜをつくる。子どもたちが喜んで食べる。
はぜには二種類ある。一つは、黒大豆をほうろくでとろ火で気長に炒り(豆の皮が破れるようになるのが目安)、次にもち玄米も黒大豆と同じ要領で炒る。花のように白くはじけたら、醤油、白砂糖をふり入れて、よくからませる。
もう一つは、白大豆と白砂糖を使うもの。まず、白大豆をほうろくで気長に炒り、もち玄米も同様に炒る。それぞれが炒れたら、白砂糖を入れてよく混ぜる。
ろっかつふてえには、もち花を炒って入れたはぜをつくる家もある。香ばしく、なかなかおいしいものである。

 

出典:鶴藤鹿忠 他. 日本の食生活全集 33巻『聞き書 岡山の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.267-267

関連書籍詳細

日本の食生活全集33『聞き書 岡山の食事』

鶴藤鹿忠 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540850462
発行日:1985/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 382頁

北の中国山地から南の瀬戸内の島々まで、多様な地形をもつ岡山の食は、あらゆる食素材がそろう日本の食文化の縮図であり、1年のうち60日は晴れ食・行事食という豊かさ。
田舎の本屋で購入

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