聞き書 岡山の食事 中国山地の食より
六月一日の「ろっかつふてえ」、七夕には、必ず重箱一杯のはぜをつくる。子どもたちが喜んで食べる。
はぜには二種類ある。一つは、黒大豆をほうろくでとろ火で気長に炒り(豆の皮が破れるようになるのが目安)、次にもち玄米も黒大豆と同じ要領で炒る。花のように白くはじけたら、醤油、白砂糖をふり入れて、よくからませる。
もう一つは、白大豆と白砂糖を使うもの。まず、白大豆をほうろくで気長に炒り、もち玄米も同様に炒る。それぞれが炒れたら、白砂糖を入れてよく混ぜる。
ろっかつふてえには、もち花を炒って入れたはぜをつくる家もある。香ばしく、なかなかおいしいものである。
出典:鶴藤鹿忠 他. 日本の食生活全集 33巻『聞き書 岡山の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.267-267