あなごの鉄砲煮

連載日本の食生活全集

2020年06月15日

聞き書 千葉の食事 東京湾奥の食より

あなごは四月から十一月にとれる。あなごは、死んでも問屋が引きとってくれるので、食べる機会は少ないが、売れ残ったときには漁師の家族のごちそうとなる。
塩でぬめりを洗い落とし、頭を切り、切り口から、わたをつまみ出して水洗いする。一尾を二つか三つに筒切りにし、砂糖と醤油をきかせて、しっかりと味をつける。
煮汁は次の日に煮こごりとして食べるが、これがまたおいしい。

 

出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.158-158

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
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