冷やし汁

連載日本の食生活全集

2020年07月21日

聞き書 新潟の食事 古志の食より

冷たい清水が大切な一役を買う、暑い夏の大事な味噌汁である。冷たくしたきゅうりを薄く切り、長ねぎやたぜ(たで)の葉、しその葉などの薬味は細かく丹念にきざむ。ゆうごうの実はゆでて種をとり、一寸くらいに切って、これも清水で冷たくしておく。
すり鉢で味噌をすって冷水を入れて溶かし、快い飲み口の味噌汁をつくる。おわんにきゅうりやゆうごうの実を入れ、冷たい味噌汁を注ぎ、薬味を加えて食べる。野良仕事で汗を出しきった昼食どきには、なによりおいしい。

 

出典: 本間伸夫 他. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.166-167

関連書籍詳細

日本の食生活全集15『聞き書 新潟の食事』

本間伸夫 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540850257
発行日:1985/08
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 378頁

「炊く」「蒸す」「搗く」「こねる」「焼く」。お米をさまざまに味わい分けてきた新潟県内を六つの食文化圏に分けて、それぞれの地域の豊饒を語ってもらう。
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