聞き書 新潟の食事 古志の食より
冷たい清水が大切な一役を買う、暑い夏の大事な味噌汁である。冷たくしたきゅうりを薄く切り、長ねぎやたぜ(たで)の葉、しその葉などの薬味は細かく丹念にきざむ。ゆうごうの実はゆでて種をとり、一寸くらいに切って、これも清水で冷たくしておく。
すり鉢で味噌をすって冷水を入れて溶かし、快い飲み口の味噌汁をつくる。おわんにきゅうりやゆうごうの実を入れ、冷たい味噌汁を注ぎ、薬味を加えて食べる。野良仕事で汗を出しきった昼食どきには、なによりおいしい。
出典: 本間伸夫 他. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.166-167