聞き書 石川の食事 加賀潟(河北潟)の食より
夏場にたくさんとれるごりは、この時期、津幡や金沢のつくだ煮屋へ、一升当たり二五銭から三〇銭で売りに行く。おかかの結構な小遣い銭となる。
ごりは四、五回塩もみしてぬめりをとり、身をしめる。酒を湯のみに半分、黒砂糖をさかずき二杯、醤油を湯のみに半分、混ぜ合わせて煮たてる。これにごりを入れて中火にかけ、煮たったら弱火でじっくり煮こむ。さらに酢を二、三滴落とし、煮つまりぐあいと味をみて、場合によって醤油を少し(五、六滴から湯のみ四分の一ていど)加える。
出典: 守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.205-205