泥亀汁

連載日本の食生活全集

2020年08月03日

聞き書 滋賀の食事 近江商人(本宅)の食より

夏ばて防止につくるごま味噌汁である。
ごま三勺を炒ってすり鉢でよくすり、ここへ辛味噌を三〇匁と白がゆか飯を少し加えてさらにする。その中へ水を入れて溶かし、なべに入れて炊く。
なす五個は皮をむき、縦半分に切って皮目のほうが格子状になるように縦横に切り目を入れ、食べやすい大きさに切り分ける。これを味噌汁に入れて煮る。
ごまで濁った味噌汁が泥のようであり、切ったなすの形が亀に似ていることから「泥亀汁」という。

 

出典: 橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.144-144

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
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