聞き書 滋賀の食事 近江商人(本宅)の食より
夏ばて防止につくるごま味噌汁である。
ごま三勺を炒ってすり鉢でよくすり、ここへ辛味噌を三〇匁と白がゆか飯を少し加えてさらにする。その中へ水を入れて溶かし、なべに入れて炊く。
なす五個は皮をむき、縦半分に切って皮目のほうが格子状になるように縦横に切り目を入れ、食べやすい大きさに切り分ける。これを味噌汁に入れて煮る。
ごまで濁った味噌汁が泥のようであり、切ったなすの形が亀に似ていることから「泥亀汁」という。
出典: 橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.144-144