聞き書 福島の食事 会津盆地の食より
稲刈りがはじまると、いなごとりをする。朝早くとらないと、いなごの動きが早くなり、つかまらなくなる。いなごは、とってくるとすぐにゆでる。ゆでると赤くなる。ゆでたいなごは夜なべに足をとり、つくだ煮にする。ゆでたいなごをよく乾燥させて保存しておき、食べる量だけつくだ煮にすることもできる。つくだ煮は、油炒りしてつくだ煮にする場合と、長時間水煮をしてこしらえる場合とがある。味つけは、醤油、塩、砂糖でするが、ちゃりちゃりになるまで煮ると保存もきく。
出典:柏村サタ子 他. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.52-52