ゆず味噌

連載日本の食生活全集

2020年10月02日

聞き書 島根の食事 城下町津和野の食より

秋にゆずが青い葉の間から黄金色の顔をのぞかせると、家々で香りのよいゆず味噌をつくる。
よく色づいたゆずの上部を切り、これをふたにする。中身は皮を破らないようにくり抜く。別に味噌、砂糖、酒をよく混ぜ、くり抜いたゆずに詰めてふたをする。七輪のてっき(金網)の上や火鉢の中で焼く。熱くなったらそのまま皿にのせ、味噌を食べる。一人前一個ずつである。

 

出典:島田成矩 他. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.258-259

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/07
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
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