聞き書 宮崎の食事 米良山地の食より
いちいがしの実をひろい、石臼か踏臼で粉にする。ふるいにかけた粉を目のやや粗い布袋に入れ、桶の中に水を入れてよくもむ。もみ出した汁をしばらくおくと澱粉が沈む。何回も水をかえ、水がすきとおるまでそかす(さらす)。そかしたものを目の細かい布袋に入れてしぼり、天日に干して乾燥する。
この粉に水を加え、なべに入れて火にかけて炊き、気長に練りあげる。しゃもじですくってみて、とろとろとするようになったら流し箱に移し、冷やして固める。
こんにゃくと同じように、酢味噌やしょうが醤油で食べる。
出典:田中熊雄 他. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.140-140