貝と春の菜を組み合わせて――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年03月06日

聞き書 千葉の食事 九十九里海岸の食より

夕――麦飯、刺身、三香味噌、ひじきの煮もの、味噌汁、こうこ
夕飯は揚繰網に混ざったわかし(ぶりの小さいもの)を刺身につくり、ぜんなのむき身とねぎを味噌と砂糖で煮た三香味噌をつくる。こうこ(漬物)は大葉(たかな)の塩漬を出す。また、めっぱのおかずにもなるようにと、油揚げを入れたひじきの煮ものもつくる。三月豆(さやえんどう)を入れた味噌汁は甘みがあってうまく、春の味がする。

写真:春の夕飯
上:大葉の塩漬/中:わかしの刺身、三香味噌、ひじきの煮もの/下:麦飯、三月豆の味噌汁

 

出典:高橋在久 他編. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.26-27

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
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