あゆの焼干し

連載日本の食生活全集

2024年06月18日

聞き書 宮城食事 北上丘陵の食より


初夏、あゆがたくさんとれたときは、一ぴきずつ竹串にさし、炭をたっぷりおこしたいろりのまわりに立てて焼く。これを串のまま、わらを束ねたべんけいにさし、いろりの上につるして、からからに乾かす。
こうしてつくった焼干しは、翌年の五月ごろまで貯蔵がきき、正月の雑煮やうどん、そば、はっとなど、汁もののだしとして重宝することになる。
だしをとるときは、焼干しをむしって水から煮る。だしをとったあとの身も、汁の実として食べる。

 

出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.200-200

関連書籍詳細

日本の食生活全集41『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540890062
発行日: 1990/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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