おいしくなる煮もの、漬物――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年09月06日

聞き書 京都食事 丹波平坦の食より

秋には台風にたびたび見舞われる。由良川沿いは、洪水の常襲地帯である。晩秋蚕の最盛期には、水つきの泥桑を持ち帰って、小川で洗って給桑することが多い。この桑で育った蚕は体や繭の色が土色を帯びて作柄に影響するので、みんなが天候には敏感になる。
夜――麦飯、塩ます、なます、味噌汁(里芋)、漬物。

写真:秋の夕食
上:塩ます、おこうこ、なます/下:麦飯、味噌汁(里芋)

 

出典:畑明美 他編. 日本の食生活全集 26巻『聞き書 京都の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.197-197

関連書籍詳細

日本の食生活全集26『聞き書 京都の食事』

畑明美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540850066
発行日: 1985/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

「三里四方の旬の野菜」の鮮度がいのちの京野菜は、近郊農家の主婦の振売りによって毎朝町場へ届けられ、その交流を通じて京料理は磨き上げられた。雅びと素朴の京の味。
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