酢だいこ

連載日本の食生活全集

2020年08月21日

聞き書 高知の食事 香長平野の食より

「今日は酢だいこでもしょうか」という感じによくつくられる。焼魚(さばやかつおを生のまま焼きあげたもの)や生節(かつおやめじかをゆでたもの)があれば身をほぐし、かえり(細い煮干し)ならそのままを酢につけて、だしを出す。塩もみしておいたせん切りの大根をあえて、酢のきつさをとるぐらいに砂糖を足す。だしが生魚の切身であれば、晴れのときである。
夏になるときゅうりやしろうり、りゅうきゅうでつくる。種の入ったきゅうりやしろうりはぷりぷりと歯ごたえがよい。
夏はぶしゅかん、秋はゆ(ゆず)の酢を使うと味がしまるが、この木はどの家にもあるというものではない。

 

出典: 松崎淳子 他. 日本の食生活全集 39巻『聞き書 高知の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.74-74

関連書籍詳細

日本の食生活全集39『聞き書 高知の食事』

松崎淳子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860256
発行日:1986/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

酢料理は日本一、豪快な皿鉢料理など土佐の伝統食は南国の香りがいっぱい。その他、山の民俗の宝庫といわれる高知山間の土の香りのする料理の数々を紹介する。
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