いも子汁

連載日本の食生活全集

2020年09月02日

聞き書 山形の食事 村山盆地の食より

里芋の出盛りには、廃鶏をつぶしたりして、いも子汁を食べる。
材料はいも子(里芋の子いも)、肉、こんにゃく、ねぎなどである。いもの皮をむき、小さいものはそのまま使い、大きいものは二つ切りにする。肉は一口大に切る。こんにゃくは一口大に手でちぎりながらなべに入れる。ねぎは一寸長さに切る。いも子、肉、こんにゃくの順に煮て、醤油を入れ、味見したら、ねぎを入れてできあがり。ふきこぼれに気をつけながら煮る。
大なべのいも子汁は見るからに量感があり、村山盆地独特の「里の秋」の味覚である。いも子汁があれば、あとは漬物だけで十分といったところである。

 

出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.52-52

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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