さんまのぬか漬

連載日本の食生活全集

2020年10月30日

聞き書 茨城の食事 県央畑作地帯の食より

秋のさんまのとれ盛りには安いので、まとめて買ってぬか漬にする。まず、はらわたをとって一ぴきのまま、一斗樽(醤油樽)に塩漬にする。塩の量は適当でよく、軽く重石をしておく。三日もすれば水が上がるので、これをぬかと塩でもう一度漬け直す。樽は同じものでよい。このときも、一回目と同様に重石をする。
さんまのぬか漬は、冬から早春のおかずであり、ぬかを洗って焼いて食べる。焼く前に切ることもある。おもに昼食か夕食のおかずになり、一人一ぴきくらい食べる。ぬかの焼ける香りが香ばしい。

 

出典:桜井武雄 他. 日本の食生活全集 8巻『聞き書 茨城の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.57-57

関連書籍詳細

日本の食生活全集8『聞き書 茨城の食事』

桜井武雄 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540850387
発行日:1985/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 348頁

「新豆できたから納豆寝せべ」穀類豊富な県央畑作地帯、水郷ならではの淡水魚を利用した南部水田地帯。水陸の幸を素材に食事づくりを手がけてきた主婦からの聞書きによってまとめた「常世の国」茨城の食事。
田舎の本屋で購入

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