大根とこいもと揚げの煮もの

連載日本の食生活全集

2020年11月27日

聞き書 兵庫の食事 播州平野の食より

冬の大根は煮るとやわらかく、甘みがある。こいもは菜園からの掘りたては、もっちりとしておいしい。日が短くなった晩秋から冬にかけて、早めに外仕事を片づけて、少々手間をかけて煮ものをつくる。
大根は二分か三分くらいの厚さの輪切りか半月切りにする。こいもの掘りたての皮は、包丁でこそげれば簡単にむける。二つ割りや三つ割りくらいの大きさがよい。揚げは枚数が少なければ幅の狭い小口切り、多いときはやや大きめの三角切りが似合う。
なべにたっぷりの水にだしかつおと、大根、こいも、揚げを入れてことことと煮る。醤油は炊きはじめに入れる。弱火で煮ると味がよくしみこんでおいしい。揚げが入ると味にまろみが出る。
煮るとき、二日分くらいの量を大なべでつくることもある。二日目分はもう一度温めるので味が濃くなる。お菜づくりの手間を省くことにもなる。

 

出典:和田邦平 他. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.139-139

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/03
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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