白菜のにしん漬

連載日本の食生活全集

2021年01月27日

聞き書 福島の食事 会津山間(南郷)の食より

寒い地方は漬物がおいしい。白菜に身欠きにしん、きのこなどを入れて漬けると、ちょっと生ぐさいが独特な味がしておいしいものである。
材料は白菜五個に対してにんじんの長いもの一、二本、身欠きにしん二〇本から三〇本、こうじ一升、塩抜ききのこ五〇〇匁、塩一五〇匁を用意する。
白菜は一寸幅に切る。にんじんは短冊切りにする。身欠きにしんはよく洗って長さ一寸に切る。きのこの大きいものは食べやすい大きさにして、材料を全部混ぜ合わせる。こうじはぬるま湯をかけておく。
桶に材料を一寸くらいの厚さに入れ、塩とこうじをふる。これをくり返して漬けてゆく。一番上に塩をほんの少し多めにふり、押しぶたをし、重石をのせる。ごみが入らないように覆っておく。半月ほどしてから食べはじめる。

 

出典:柏村サタ子 他. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.119-120

関連書籍詳細

日本の食生活全集7『聞き書 福島の食事』

柏村サタ子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870972
発行日:1987/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

にしん漬・三五八漬を肴に会津の酒を酌む。うにの貝焼、あんこう料理は浜通りの名物。豊富な食素材を伝統の生活知が生かす「みちのくのまほろば」福島ならではの味。
田舎の本屋で購入

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