聞き書 長崎の食事 五島の食より
三月三日の女の節句のごちそうにつくる。このころは剣先いかがよくとれるので、これを使うことが多い。
二、三日前の晩、いかの皮と内臓、足をとって身を細かくきざみ、それを大きなすり鉢でする。この中に卵、いも澱粉、水気をしぼった豆腐を入れてさらによくすり、赤砂糖(中白)、塩で味をつける。これを竹簀で巻いた巻きかんぼこにして蒸す。
ひなの節句には伊勢えびのかんぼこをつくる人もいる。
写真:いかかんぼこ(4種)
左:色つき(赤)いかかんぼこ/右上:こぶ巻きのいかかんぼこ/右中:いかかんぼこ/右下:板つきのいかかんぼこ
出典:月川雅夫 他. 日本の食生活全集 42巻『聞き書 長崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.248-248