さぶらきごはんで田植えはじめ―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年05月26日

聞き書 奈良の食事 奥宇陀の食より

さぶらき
田植えはじめを「さぶらき」という。さぶらきは、よい日を選んで、水戸口と荒神さんにさぶらきごはんを供える。さぶらきごはんは、大豆を炒って枡の底でこすって皮をはぎ、米と一緒に塩味で炊いたもので、ふきの葉二枚で包み、わらでくくって供える。この時期になっても田に薄氷がはるような寒い日もあるが、ふきの葉の香りが春を運んでくれる。

写真:田植えはじめのさぶらきごはん

 

出典:藤本幸平 他. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.179-180

関連書籍詳細

日本の食生活全集29『聞き書 奈良の食事』

藤本幸平 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540920035
発行日:1992/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

青丹よしといわれた奈良の都、法隆寺を仰ぐ斑鳩の里から山深い吉野・十津川郷まで、その歴史・民俗・食べ物を古老からの聞き書きと写真で記録。東大寺の結解(けっけ)料理など、各地の寺社料理も紹介。
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