田植えの間は朝から白飯―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年05月27日

聞き書 和歌山の食事 紀ノ川流域の食より

やつ―にぎりこ、たくあん
重箱いっぱいににぎりこを詰め、たくあんをつける。お茶は、かんす(茶釜)にいつでもわかしているので、大きな土びんに入れて田んぼへ持っていく。
お茶はもちろん自家製。畑の縁に茶を植えている。このころは野良仕事の一番忙しいころであるが、家で使う分と親類に送る分までお茶を摘んで、大きな米俵ぐらいの紙袋に五、六杯もつくる。

写真:春のやつ
にぎりこ、たくあん

 

出典:安藤精一 他. 日本の食生活全集 30巻『聞き書 和歌山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.22-23

関連書籍詳細

日本の食生活全集30『聞き書 和歌山の食事』

安藤精一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880582
発行日:1989/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 380頁

かつおの一本釣り漁で活気づく田辺湾、黒潮に乗ってくるまぐろ、鯨などが食卓をにぎわす熊野灘、ことあるごとにもちを搗き、すしをつくる紀ノ川流域など紀州の食の全貌。
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