聞き書 和歌山の食事 紀ノ川流域の食より
■やつ―にぎりこ、たくあん
重箱いっぱいににぎりこを詰め、たくあんをつける。お茶は、かんす(茶釜)にいつでもわかしているので、大きな土びんに入れて田んぼへ持っていく。
お茶はもちろん自家製。畑の縁に茶を植えている。このころは野良仕事の一番忙しいころであるが、家で使う分と親類に送る分までお茶を摘んで、大きな米俵ぐらいの紙袋に五、六杯もつくる。
写真:春のやつ
にぎりこ、たくあん
出典:安藤精一 他. 日本の食生活全集 30巻『聞き書 和歌山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.22-23