聞き書 栃木の食事 渡良瀬川流域輪中の食より
■おひる―麦飯、おつけ、たにしの油味噌、きゅうりのぬか漬、大根の梅酢漬
たにしは田の草取りのとき、小ざるを腰に下げて行き、いっぱいとってくる。たくさんいるのでひろってくるといったほうがよいかもしれない。ゆでてから身を出したたにしを油でいびり(炒め)、味噌と玉砂糖を入れて味つけする。やわらかくておいしい。その年の梅干し漬の梅酢に夏でいこんを適当な大きさに切って漬けた梅酢漬は、さっぱりとして食が進む。梅酢は暑さよけにもなるといわれている。
写真:夏のおひる
上:〔左から〕きゅうりのぬか漬と大根の梅酢漬、たにしの油味噌/下:麦飯、おつけ
出典:君塚正義 他. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.252-253