梅酢で暑さよけし、なまずのてんぷらで力をつける―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年07月28日

聞き書 栃木の食事 渡良瀬川流域輪中の食より

おひる―麦飯、おつけ、たにしの油味噌、きゅうりのぬか漬、大根の梅酢漬
たにしは田の草取りのとき、小ざるを腰に下げて行き、いっぱいとってくる。たくさんいるのでひろってくるといったほうがよいかもしれない。ゆでてから身を出したたにしを油でいびり(炒め)、味噌と玉砂糖を入れて味つけする。やわらかくておいしい。その年の梅干し漬の梅酢に夏でいこんを適当な大きさに切って漬けた梅酢漬は、さっぱりとして食が進む。梅酢は暑さよけにもなるといわれている。

写真:夏のおひる
上:〔左から〕きゅうりのぬか漬と大根の梅酢漬、たにしの油味噌/下:麦飯、おつけ

 

出典:君塚正義 他. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.252-253

関連書籍詳細

日本の食生活全集9『聞き書 栃木の食事』

君塚正義 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880322
発行日:1988/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

鮭食の伝統「しもつかれ」、伝統行事に食の歴史をとどめる栃木の食。海なし県栃木で多用される川魚、里芋。山と川と里の国栃木の習俗、行事、暮らし、食の姿を伝える。
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