お盆さまにはだんご、そうめん、ぼたもちを供えて―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年08月02日

聞き書 神奈川の食事 川崎近郊農村の食より

お盆
八月八日は施餓鬼でお寺にまいる。十三日に座敷に盆棚をしつらえ、なすやきゅうりに麻幹をさして馬をつくり、夕方、麦稈の松明を焚いて辻からお盆さまを迎える。だんご、そうめんを供え、なすのゆでたもの、みょうが、ねぎの薬味でそうめんを食べる。十四日は朝、きな粉、ごま、小豆あんのぼたもちを供え、お寺へ米三升を持ってあいさつまいり。十五日は、縁側に積んでおいたかぼちゃを煮つけて白ごはんに添えて食べる。ふかしまんじゅうで来客をもてなし、夕暮れには送り火を焚いてお盆さまを送る。

写真:お盆のお供え
米粉のだんごを中心に、そうめん、つゆ、ゆでなすとみょうが

 

出典:遠藤登 他. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.72-73

関連書籍詳細

日本の食生活全集14『聞き書 神奈川の食事』

遠藤登 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540920028
発行日:1992/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

和洋中が勢揃いの横浜のハイカラ料理、古都鎌倉の伝統食から、相模野の恵み、山・川・海の幸を集めた県内各地の素朴な郷土料理まで、地元のお年寄りからの聞き書きをもとに再現。写真つきで記録。
田舎の本屋で購入

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