聞き書 神奈川の食事 川崎近郊農村の食より
■お盆
八月八日は施餓鬼でお寺にまいる。十三日に座敷に盆棚をしつらえ、なすやきゅうりに麻幹をさして馬をつくり、夕方、麦稈の松明を焚いて辻からお盆さまを迎える。だんご、そうめんを供え、なすのゆでたもの、みょうが、ねぎの薬味でそうめんを食べる。十四日は朝、きな粉、ごま、小豆あんのぼたもちを供え、お寺へ米三升を持ってあいさつまいり。十五日は、縁側に積んでおいたかぼちゃを煮つけて白ごはんに添えて食べる。ふかしまんじゅうで来客をもてなし、夕暮れには送り火を焚いてお盆さまを送る。
写真:お盆のお供え
米粉のだんごを中心に、そうめん、つゆ、ゆでなすとみょうが
出典:遠藤登 他. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.72-73