聞き書 山形の食事 村山山間の食より
菜の年越しがすぎ、漬け菜や大根の収穫を終えて霜が降りるころ、漬物の季節を迎える。遠藤家では、屋敷の前の野菜洗い井戸で菜や大根を洗う。
洗い終わったものはそれぞれ干して、大根漬は二斗桶に、青菜漬は一俵桶(四斗桶)に、白菜漬は二斗桶にと漬けこんでいく。
■朝―麦まま、あまぴちょ、みょうがのぬたあえ、きゅうり漬
稲刈りのころに食べられるようにつくるあまぴちょ(ひしお)は、冬用のより塩を甘くする。忙しい時分のごはんのお菜に便利なので、秋の農繁期用に一斗、冬用には六升ほどつくる。
写真:秋の朝飯
上:〔左から〕みょうがのぬたあえ、あまぴちょ/中:きゅうり漬/下:麦まま、なすのおづけ
出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.75-76