小麦粉だんごのおじや

連載日本の食生活全集

2021年10月06日

聞き書 和歌山の食事 和歌浦沿岸の食より


小麦粉は、米のかわりにおじやに重宝に使われる。魚のだしと季節の野菜で煮たおじやは、質素だけれども味わい深い土地の味をつくり出し、あまりうまみのない素材が生かされる。
春、秋、冬の昼食には、干したえびやはぜ、いりこのだしに野菜を入れたおじやをつくる。小麦粉を水で溶き、一口くらいのだんごに丸めて沸騰したおつゆに入れ、青みを添える。あつあつを茶わんによそって食べる。
麦飯はよばすのに手間がかかるが、おじやは手軽につくれるところがいい。

写真:秋のおじや
小麦粉だんご、そうめん、さつまいも、ねぎ入り、味噌仕立て。

 

出典:安藤精一 他. 日本の食生活全集 30巻『聞き書 和歌山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.112-113

関連書籍詳細

日本の食生活全集30『聞き書 和歌山の食事』

安藤精一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880582
発行日:1989/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 380頁

かつおの一本釣り漁で活気づく田辺湾、黒潮に乗ってくるまぐろ、鯨などが食卓をにぎわす熊野灘、ことあるごとにもちを搗き、すしをつくる紀ノ川流域など紀州の食の全貌。
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