聞き書 兵庫の食事 瀬戸内沿岸(明石)の食より
■正月
一日は家族全員で新年を祝う。祝い膳は、こんにゃくやごぼうを入れた黒豆煮、尾頭つきとして目刺しを二ひき、かまぼこ、里芋やこんにゃくなどの煮しめに加えて、いたぼがきや大貝でだしをとった七色雑煮が欠かせない。雑煮は、丸もちをゆで、にんじん、大根、ごぼう、お焼き(焼き豆腐)、里芋をすべて丸く切り、貝でとっただしに味噌を加えた汁をかける。
写真:家族の正月の膳
上:〔左から〕煮しめ(里芋、にんじん、ごぼう、高野豆腐、ちくわ)、目刺し/中:黒豆煮(ごぼう、こんにゃく入り)、なます(大根、にんじん)、銚子/下:ごまめ、酒、雑煮(もち、大根、にんじん、ごぼう、里芋、お焼き)
出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.68-71