6枚重ねの菱もちをお供えする桃の節句―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年03月02日

聞き書 群馬の食事 高崎近郊の食より

ひな祭り(三月三日)
桃の節句ともいい、女の初児が生まれると、母親の里方から親王さま、親せきや近所からは座りびなが贈られる。女の子のいる家では、どこも座敷いっぱいにひなを飾り、紅白もちと草もちを二枚ずつ計六枚を重ねた菱もちをつくってお供えする。
料理は、いなりずし、太巻きずし、赤飯、きらず(おから炒り)、ねぎぬたなどをつくってお祝いする。
嫁の実家には、さんまの開きと菱もちをお返しする。

写真:桃の節句のごちそう
手前の重箱:〔左から〕煮しめ、すし(のり巻き、いなりずし、でんぶのにぎりずし)。うしろは菱もち

 

出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.125-126

関連書籍詳細

日本の食生活全集10『聞き書 群馬の食事』

志田俊子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900051
発行日:1990/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

かかあ天下に空っ風の上州は「粉もの王国」。「おきりこみ」の味は絶品で、夕食には"つるつる"の音が家中に広がる。みそまんじゅうやおやきも詳しく紹介。
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