聞き書 群馬の食事 高崎近郊の食より
■ひな祭り(三月三日)
桃の節句ともいい、女の初児が生まれると、母親の里方から親王さま、親せきや近所からは座りびなが贈られる。女の子のいる家では、どこも座敷いっぱいにひなを飾り、紅白もちと草もちを二枚ずつ計六枚を重ねた菱もちをつくってお供えする。
料理は、いなりずし、太巻きずし、赤飯、きらず(おから炒り)、ねぎぬたなどをつくってお祝いする。
嫁の実家には、さんまの開きと菱もちをお返しする。
写真:桃の節句のごちそう
手前の重箱:〔左から〕煮しめ、すし(のり巻き、いなりずし、でんぶのにぎりずし)。うしろは菱もち
出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.125-126