蚕の桑やりの合間をぬって食事する―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年04月21日

聞き書 徳島の食事 吉野川北岸の食より

春になると、冬につくったねじ干し大根(丸干ししたもの)や干し大根(切干し)を食べはじめるし、山菜や春野菜も豊富になり、食膳がにぎやかになる。とくに汁ものは実だくさんで、たっぷり食べるとそれだけでおかずになる。味噌汁を入れる大なべは、傷つけると長もちしないので、木のしゃもじ(汁杓子)で実をすくう感じでつぐ。
山菜をとりに行くときは、着物のすそをからげてたすきをかけて行く。野ばらで足を引っかけると血が出て痛いが、春の香りが楽しみで近くの山へ向かう。わらびやふきなどを、メリケン袋(幅一尺三寸、長さ二尺六寸くらいの布袋)にいっぱい摘んで、たすきでからだにくくりつけて帰る。

写真:実だくさんの汁もの

 

出典:立石一 他編. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.22-24

関連書籍詳細

日本の食生活全集36『聞き書 徳島の食事』

立石一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900075
発行日:1990/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

祖谷そばにたらいうどん、いろりのそばで香りたつでこまわし。渦潮にもまれて育つ魚やわかめ。海・山のバラエティ豊かな暮らしと食を祭事とともに再現。藍商人の食事も再現。
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