草もち、雑煮もち、納豆もちで春を祝う―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年05月11日

聞き書 山形の食事 県南置賜の食より

蚕もち
春の行事として欠かせないのが、蚕があがったときの「蚕もち」である。さなぶりのときと同様にもちを搗き、尾頭づきの焼いたかど、身欠きにしんのこぶ巻き、冷や汁、煮魚など魚中心の酒肴で、手伝いの人や雇い人全員の労をねぎらう。大仕事が無事に終わったことを祝い、次の半日は休みとなる。これで春は終わりを告げる。

写真:蚕もちのごちそう
上:〔左から〕納豆もち、くるみもち/中:小豆もち/下:雑煮もち、雑煮子

 

出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.163-165

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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