聞き書 山形の食事 県南置賜の食より
■蚕もち
春の行事として欠かせないのが、蚕があがったときの「蚕もち」である。さなぶりのときと同様にもちを搗き、尾頭づきの焼いたかど、身欠きにしんのこぶ巻き、冷や汁、煮魚など魚中心の酒肴で、手伝いの人や雇い人全員の労をねぎらう。大仕事が無事に終わったことを祝い、次の半日は休みとなる。これで春は終わりを告げる。
写真:蚕もちのごちそう
上:〔左から〕納豆もち、くるみもち/中:小豆もち/下:雑煮もち、雑煮子
出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.163-165