田植えには白米飯を4食―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年05月12日

聞き書 茨城の食事 鹿島灘沿岸の食より


田植えがはじまるころ、村の代表者が集まって、そーれい(早苗植え)の日を決め、村中が一緒にする。
朝、白いもちと草もちを搗く。常日ごろ手伝いに来てくれる家や親類に、白いもちを重箱に入れて届けるので、その分まで搗くから大変である。田植え見舞いの催促のようなものである。
このお重箱は、他村に嫁いだ娘の家にも届ける。お重箱が届くと、お返しにかつお一尾とか、塩ざけ一尾が届く。
田植えの間は朝四時起きし、女衆は苗取りをしてから、ごはんのしたくにかかる。この間は、人が入るし重労働なので、四食(朝、昼、こじはん、夜)とも白米飯である。おかずは、田植え見舞いに届いた塩ざけを焼くか、かつおの煮つけ、てんぷら、野菜の煮つけなど、いろいろなごちそうを年寄りが考えてつくってくれる。

写真:田植えどきの料理
ひじきと大根の煮もの

 

出典:桜井武雄 他編. 日本の食生活全集 8巻『聞き書 茨城の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.238-239

関連書籍詳細

日本の食生活全集8『聞き書 茨城の食事』

桜井武雄 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540850387
発行日:1985/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 348頁

「新豆できたから納豆寝せべ」穀類豊富な県央畑作地帯、水郷ならではの淡水魚を利用した南部水田地帯。水陸の幸を素材に食事づくりを手がけてきた主婦からの聞書きによってまとめた「常世の国」茨城の食事。
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