聞き書 静岡の食事 中山間(岡部)の食より
山仕事に出て飯にするときに、焚き火を囲んでつくったり、また、おゆうはん(夕飯)には風呂のかまどで焼いて、熱いところを食べる。小さめのたけのこの皮をむき、まん中を裂いて中に味噌を入れる。そして山だったら柴草を燃やしてその上で蒸し焼きし、家で焼くときは、風呂をわかすときのかまどの中で焼く。
たけのこの外は焼けて香ばしくなり、内は味噌味がにじんで、独特の風味となる。蒸し焼きにするには、たけのこを柴草で包み、縄などでしばってから火にかざすと、柴草に火が移って、ほどよく蒸される。
たけのこ料理のいろいろ
上:〔左から〕孟宗のたけのこ、たけのこの蒸し焼き、うま煮/下:〔左から〕ごった煮、あらめ煮、白あえ
出典:大石貞男 他編. 日本の食生活全集 22巻『聞き書 静岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.171-171