畑の夏野菜で手早くつくるおかず―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年05月27日

聞き書 群馬食事 吾妻の食より

昼飯―麦飯、なすの油炒め、きゅうりの味噌かえし
女しょうは、蚕がいるときなどは畑から急いで帰って、朝炊いておいた麦飯を食べる。なすを油で炒めて味噌で味をつけた油味噌と、きゅうりを洗って切ったものに味噌をつけて食べる味噌かえしなどのおかずですます。
男しょうは山弁当を持って山の畑に出かけ、昼には帰らない。弁当は、冬の間に縫っておいた、はしきれを使った丸袋に入れていく。両めんぱ(曲げものの弁当箱)に麦飯を詰め、目刺しの焼いたのと味噌を入れ、きゅうりの二本も丸ごと持っていく。そのほかにひえ焼きもち二、三個も持っていって、こじはん(小昼)に食べる。

写真:夏の山弁当
麦飯と目刺し、味噌、生のきゅうり

 

出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.81-82

関連書籍詳細

日本の食生活全集10『聞き書 群馬の食事』

志田俊子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540900051
発行日:1990/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

かかあ天下に空っ風の上州は「粉もの王国」。「おきりこみ」の味は絶品で、夕食には"つるつる"の音が家中に広がる。みそまんじゅうやおやきも詳しく紹介。
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