しろえびのてんぷら、酢のもの

連載日本の食生活全集

2022年05月31日

聞き書 富山食事 富山周辺の食より


しろえび(しらえび)はべっこうえびともいわれ、富山湾の岩瀬の海(常願寺川と神通川の河口の間の海)でしか漁獲されておらず、世界的にも珍しいえびである。長さが二寸くらいまでの白っぽいえびで、生きているときは透明であり、火を通すと乳白色になる。殻ごと食べることができるので、からだによいといわれている。おもに盆のそうめんのだしとして使われるが、そのほかに、夏の来客用のてんぷらや酢のものとしても食べる。
てんぷらは、小麦粉を水で溶いた中に生卵を一つ割りほぐして衣をつくる。その中にしろえびを入れて油で揚げるが、そのとき、はんがい(杓子)の上にえびを四、五ひき並べのせて、そのまますーっと油の中に落とすと、えびは並んで揚げられ、体裁のよいてんぷらができあがる。
酢のものは、まずしろえびを熱湯でゆでる。ひと煮たちしたらすぐそうけにあげて少し冷ます。一方で酢、砂糖、塩の合わせ酢をつくっておき、ゆだったえびを入れて味をしませる。殻ごとやわらかくなるので、そのまま食べる。

 

出典:堀田良 他編. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.211-212

関連書籍詳細

日本の食生活全集16『聞き書 富山の食事』

堀田良 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890048
発行日:1989/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

蜃気楼があらわれ、ほたるいかが群遊する富山湾は地元の人たちの魚溜め。立山から発する水が開いた平野は富山の人たちの米びつ。生きのいい魚と米と水がつくる富山の食。
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