涼しくなると納豆をつくる―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年09月14日

聞き書 秋田の食事 県北米代川流域の食より

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉を実感する涼しい朝、高く青いさわやかな秋空を見上げながらも雨が気になり、天気の続くことを祈る毎日である。

晩飯は、ごはんとたら入り湯豆腐で、ねぎやにんじんおろしを入れたすましで食べる。大きな大根の一本漬が出る。
田仕事は終わっても、畑仕事や山仕事、冬の準備と、秋は休む間もなく仕事が続く。山ぶどうとり、栗ひろい、きのことり、焚き木とり、薪背負い、大根、白菜、玉菜の収穫、ながいも掘りなどとあわせて、畑のもの、山のものの貯蔵準備と越冬に備える毎日である。

写真:秋の夕食
漬物(たくあん、なす)、ごはん、たら入り湯豆腐(たら、豆腐、にんじん、ねぎ)、たれ

 

出典:藤田秀司 他編. 日本の食生活全集 5巻『聞き書 秋田の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.242-243

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集5『聞き書 秋田の食事』

藤田秀司 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540850660
発行日:1986/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 386頁

ハタハタずし・しょっつる・いぶり大根・各種貝焼(カヤキ)鍋など、自然の要求と人間の要求が一致した発酵食文化の粋・秋田の食事を、農耕・漁労の営みと共に描く。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事