聞き書 石川の食事 加賀潟(河北潟)の食より
いわしは頭をちぎり、うろこをとって、塩で二日ほど粗漬けする。こんか(米ぬか)、塩、味噌、醤油、なんばを混ぜ合わせて、ぬか床を準備する。漬物桶の底にぬか床を敷きつめていわしを並べ、その上にまたぬか床、いわしと交互に漬けこむ。最後に押しぶたをして重石をのせておく。
漬けこんで半年ぐらいしたら酢をかけて食べる。
家でつくったこんかいわしは、買ったものと違って独特の風味があり、とくに秋の稲刈りの弁当のおかずとして大切なものである。弁当には焼いたものを使う。
出典:守田良子 他編. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.206-207