山からとってきたなめこを「菊なめこ」に─日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年10月03日

聞き書 宮城の食事 船形山麓の食より

朝―大根かて飯、味噌汁、菊なめこ、小瀬菜漬、大根おろし
新しい大根がとれるので、大根や大根葉をかてにしたごはんを炊く。
味噌汁は、じゃがいも、大根、にんじんなど、秋にとれる野菜がたくさん入る。
菊なめこは、食用菊をゆでたもの、切りこぶ、なめこをゆでたものを、なんばん(とうがらし)とともにもろみに漬けこんでおいた保存食である。
これに、漬物、大根おろしなどを添える。漬物は、小瀬菜の漬物をよく食べる。このころは漬けて日が浅いので青々としてさわやかな味である。

写真:秋の朝食
上:小瀬菜漬、菊なめこ/中:大根おろし/下:大根かて飯、味噌汁(じゃがいも、大根、にんじん)

 

出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.233-234

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集4『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890062
発行日:1990/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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