秋野菜は煮もの、こうじ漬、からし漬に―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年10月13日

聞き書 長野の食事 諏訪盆地の食より

昼―朝の残りごはんと味噌汁、凍み豆腐の卵とじ、漬物
秋は、昼飯もそこそこにすませ、野良へ出なければ、じきに日が暮れてしまう。
味噌汁は朝の残りを温めなおして食べる。おかずは、凍み豆腐の卵とじをよくつくる。凍み豆腐は、冬に一年中のものをつくっておくので、おかずの材料のきれたとき適宜使う。漬物はなすのからし漬である。秋なすの歯ざわりのよさと、ぴりっときいたからしと、こうじの持つ甘みが溶け合った、秋ならではのおいしい漬物である。

写真:秋の昼食
上:凍み豆腐の卵とじ、なすのからし漬/下:白米ごはん、かぼちゃの味噌汁

 

出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.150-151

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集20『聞き書 長野の食事』

向山雅重 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540860768
発行日:1986/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

十州に境を連ねる信州の山と川、四つの平の恵みを生かしきる女の技を収録。木曽のすんき漬、東信の野沢菜漬、中信の稲扱菜など、特徴ある野菜がいっぱい。海こそなけれよろず足らわぬことなき暮らしと食を聞書きする。
田舎の本屋で購入

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