聞き書 長野の食事 諏訪盆地の食より
■昼―朝の残りごはんと味噌汁、凍み豆腐の卵とじ、漬物
秋は、昼飯もそこそこにすませ、野良へ出なければ、じきに日が暮れてしまう。
味噌汁は朝の残りを温めなおして食べる。おかずは、凍み豆腐の卵とじをよくつくる。凍み豆腐は、冬に一年中のものをつくっておくので、おかずの材料のきれたとき適宜使う。漬物はなすのからし漬である。秋なすの歯ざわりのよさと、ぴりっときいたからしと、こうじの持つ甘みが溶け合った、秋ならではのおいしい漬物である。
写真:秋の昼食
上:凍み豆腐の卵とじ、なすのからし漬/下:白米ごはん、かぼちゃの味噌汁
出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.150-151