聞き書 三重の食事 紀伊山間の食より
秋の一番おいしい間食。もち米五合にさつまいもは大一個。
もち米はせいろで四〇分くらい蒸す。さつまいもは一口大に切り、皮をむき、ゆでておく。もち米とせいろで一緒に蒸すこともある。もち米にさつまいもを混ぜて搗く。きな粉を広げた上に置き、これには少し砂糖を入れたあんを入れてにぎる。
にぎり方に「まるにぎり」と「あんび」というにぎり方がある。「あんび」とは、まるにぎりにしたものを親指、人差し指、中指の三本で三方から押したものである。
あんを入れず、砂糖きな粉で食べることもある。
写真:いももち
左側がまるにぎり、右手前があんび。きな粉をつけて食べる。
出典:西村謙二 他編. 日本の食生活全集 24巻『聞き書 三重の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.189-190