聞き書 島根の食事 奥出雲の食より
■晩飯―白飯、塩ますの焼き魚、ぜんまいの白あえ、煮菜
煮菜には塩ますの頭を使う。大根は大根ひきでひいて油で炒め、ねぎや油揚げも入れてつくる。味つけは、塩ますが入っているので、いったん味見してから醤油を少し加える。ぜんまいの白あえはこりこりと歯ごたえがあり、豆腐の甘みとも合い、色もきれいである。
寝しな茶は、ふらい米に熱いお茶をかけて、塩少々入れたものを食べる。ほどよくふやけて、香ばしくおいしい。ふらい米は青刈りした稲の籾でつくるので、色もよい。
写真:秋の晩飯
上:ぜんまいの白あえ、塩ますの焼き魚/下:白飯、煮菜
出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.120-121