煮菜で晩飯、ふらい米で寝しな茶―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年11月10日

聞き書 島根の食事 奥出雲の食より

晩飯―白飯、塩ますの焼き魚、ぜんまいの白あえ、煮菜
煮菜には塩ますの頭を使う。大根は大根ひきでひいて油で炒め、ねぎや油揚げも入れてつくる。味つけは、塩ますが入っているので、いったん味見してから醤油を少し加える。ぜんまいの白あえはこりこりと歯ごたえがあり、豆腐の甘みとも合い、色もきれいである。
寝しな茶は、ふらい米に熱いお茶をかけて、塩少々入れたものを食べる。ほどよくふやけて、香ばしくおいしい。ふらい米は青刈りした稲の籾でつくるので、色もよい。

写真:秋の晩飯
上:ぜんまいの白あえ、塩ますの焼き魚/下:白飯、煮菜

 

出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.120-121

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
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