秋から冬―雪明かりのなかで軒に干した鮭輝く

連載日本の食生活全集

2022年11月17日

聞き書 アイヌの食事 静内地方の食より

厳しい冬に備えて食料の確保
夏から秋にかけては、ハックリ(さいはいらん)、ざぜんそう、ニセウ(どんぐり)、シケレペ(きはだの実)などを採取したり、栽培作物であるピヤパ(ひえ)、ムンチロ(あわ)、メンクル(いなきび)、豆類、かぼちゃ、とうきび(とうもろこし)などの収穫をし、保存のために乾燥する。ラウラウ(こうらいてんなんしょう)は秋おそく毒成分が固まってから食用にする。また、カムイチェプ(鮭)をとって軒下につるして乾燥させたり、凍らせたりする。このように、秋には山菜や栽培作物、そして魚を捕獲し保存する仕事がある。

写真:干した鮭は冬の風物詩

 

出典:萩中美枝 他編. 日本の食生活全集 48巻『聞き書 アイヌの食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.24-29

関連書籍詳細

日本の食生活全集48『聞き書 アイヌの食事』

萩中美枝 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920042
発行日:1992/11
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 344頁

すべてのものに神宿る-自然との共生に貫かれた北の民族の清廉な食文化。道内各地の古老を語り部に、今、ここに再現。山野草、魚介、鳥獣-自然の恵みを生かしきるアイヌ民族の食の英知をまとめた初めての本。
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