聞き書 アイヌの食事 静内地方の食より
■厳しい冬に備えて食料の確保
夏から秋にかけては、ハックリ(さいはいらん)、ざぜんそう、ニセウ(どんぐり)、シケレペ(きはだの実)などを採取したり、栽培作物であるピヤパ(ひえ)、ムンチロ(あわ)、メンクル(いなきび)、豆類、かぼちゃ、とうきび(とうもろこし)などの収穫をし、保存のために乾燥する。ラウラウ(こうらいてんなんしょう)は秋おそく毒成分が固まってから食用にする。また、カムイチェプ(鮭)をとって軒下につるして乾燥させたり、凍らせたりする。このように、秋には山菜や栽培作物、そして魚を捕獲し保存する仕事がある。
写真:干した鮭は冬の風物詩
出典:萩中美枝 他編. 日本の食生活全集 48巻『聞き書 アイヌの食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.24-29